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彼岸会について


『お彼岸』という言葉は、日本人の生活の中ではなじみが深いのですが、仏教の
起こったインドや中国では行われない、いわば日本の風土や気候が生み出した日本独
自の仏教行事のようです。                                  .
 『彼岸』は、もともとは、迷いや苦しみの現実世界をさす『此岸』に対する言

葉で、理想である悟りの世界を意味しています。また「お彼岸」とか「彼岸会」

という場合の「彼岸」は「到彼岸」の略であり、迷いの世界から悟りの世界へ至
るという意味です。                           .
浄土真宗では、悟りに至るための所業として念仏を申すのではなく、日々の生

活の中でのお念仏の味わいこそが重要です。 そして、このお彼岸の行事を悟り

の世界(お浄土)へ至らしめてくださる阿弥陀如来さまのお徳を讃え、そのおここ

ろを聴聞させていただく仏縁として大切にしています。           .

お念仏のみ教えに生かされている私たちは、常に聴聞に励みたいものです。暑い
夏や寒い冬の厳しい季節を越えて、ほっとひと生きついたときに、自分の心のあ
りようを静かに思う日を設けたのは、日本人の深い智慧だと思います。お彼岸を
単なるお墓参りの日にとどめず、お念仏のみ教えを通して自分を振り返る日とし

たいものです。                             .


          


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