彼岸会は日本固有の行事で、古くから行われてきました。3月と9月の春分・秋分
の日を中心とし、それぞれ前後3日間ずつ、各1週間を通して勤まる法要です。 .
聖徳太子は仏教の信仰厚く、十七条憲法で『篤く三宝(仏・法・僧)を敬う
べし』として仏教信仰を勧めておられます。また、敏達天皇に奏上して彼岸
会の法要を始められ、彼岸にはみんながお寺に参るように勧められました。 これ.
が彼岸会の始まりといわれています。 .
一般にお彼岸は「お墓参りをする期間」であるかのように理解されている
ようです。もちろん、お彼岸には多くの方々が亡き方々を偲び、お墓参りを
されるのですが、そこで私達が見失ってはならない大切なことがあります。
それは、お墓参りを縁として、そこにお骨を残して逝かれた方の往かれた先
(いのちの行方)、つまり浄土に思いを寄せると共に、またこの私のいのち
の行方(帰る世界)をみつめ、浄土への道のりをたずね、聞き開くというこ
とです。私たちの先祖の方々が、お彼岸を『み教えを聞く期間』として大切
にしてこられた理由もまたここにあると思われます。 .